高年齢再就職給付金 計算ツール

60歳以降に再就職したときにもらえる「高年齢再就職給付金」または「再就職手当」の金額を計算するツールです。

基本情報

利用方法

入力項目

前職の月給

前職を退職したときの月給を円単位で入力してください。賞与(ボーナス)は含みません

なお、計算の基礎となる前職の月給の上限は494,700円、下限は86,070円(2024年8月変更)です。
これよりも大きい値、または低い値を入力した場合は、この上限または下限の値に置き換えて計算します。

再就職後の月給

再就職後の給与額を円単位で入力してください。

支給残日数

失業手当がまだ支給されておらず残っている日数(支給残日数)を入力してください。

所定給付日数

失業手当が給付される予定の日数(所定給付日数)を入力してください。失業手当の書類に記載されています。

生年月日

下記のどちらかを選択してください。

  • 1965年(昭和40年)4月1日以前
  • 1965年(昭和40年)4月2日以降

それによって、支給率の上限が変わります。

表示内容

以下の項目を月額で表示します。

高年齢再就職給付金

  • 賃金の低下率(前職の月給に対する割合)
  • 支給率
  • 支給額(月額)
  • 支給年数
  • 合計支給額

再就職手当

  • 基本手当日額
  • 再就職手当の給付率
  • 支給額(一括)

「高年齢再就職給付金」と「再就職手当」のどちらが有利かを表示します。

高年齢再就職給付金の計算方法について

こちらの前提のもとに計算します。

  • 対象は60歳以上64歳以下の給与所得者
  • 2024年(令和6年)8月以降の金額

用語

前職の賃金月額

原則として前職を退職した時点より前6ヶ月間の平均賃金
(「受給資格確認通知書」や「支給決定通知書」に記載されています)

賃金の低下率
低下率 = 再就職後の賃金額 ÷ 賃金月額 ✕ 100

支給率の計算

生年月日:1965年(昭和40年)4月1日以前

低下率が61%以下の場合

支給率 = 15%

低下率が61%超75%未満の場合
支給率 = (-183 ✕ 低下率 ✕ 100 + 13725)÷(280 ✕ 低下率 ✕ 100)
低下率が75%超の場合

支給率 = 0%

生年月日:1965年(昭和40年)4月2日以降

低下率が64%以下の場合

支給率 = 10%

低下率が64%超75%未満の場合
支給率 = (-32 ✕ 低下率 ✕ 100 + 2400)÷(55 ✕ 低下率 ✕ 100)
低下率が75%超の場合

支給率 = 0%

支給額

支給額 = 再就職後の賃金額 × 支給率

支給の上限額・下限額

高年齢再就職給付金と月給の合計が、376,750円を超える場合、超える部分の給付金は支給されません

高年齢再就職給付金が2,295円以下の場合、給付金は支給されません

高年齢再就職給付金の受給条件

高年齢再就職給付金をもらえる条件は次のとおりです。

  • 60歳以上65歳未満で再就職して雇用保険に加入していること
  • 1年を超えて雇用される予定の安定した職業に就いたこと
  • 前職の退職時に、雇用保険に5年以上加入していること
  • 失業手当をもらっている期間中に再就職をし、その時点で支給残日数が100日以上あること
  • 再就職後の給料が前職の給料の75%未満に下がったこと
  • その再就職で再就職手当をもらっていないこと

重要なポイントは、「再就職後の給料が前職の給料の75%未満に下がった場合」だけもらえることです。

高年齢再就職給付金のもらえる期間と金額

高年齢再就職給付金は一括ではなく、1年間または2年間、毎月分が2ヶ月ごとにもらえます。
もらえる金額は、最大で再就職後の月給の15%です(生年月日が1965年(昭和40年)4月2日以降の場合は10%)。

【高年齢再就職給付金をもらえる期間】
支給残日数 もらえる期間
100日以上200日未満 1年間
200日以上 2年間
【高年齢再就職給付金の金額】
再就職後の給料の
前職の給料に対する割合
もらえる金額(月額)
61%未満 再就職後の月給の15%
61%以上75%未満 再就職後の月給の0~15%
75%以上

※給料の金額が変わったら、給付金の金額も変動します。
※給料と給付金の合計が376,750円(2024年8月1日以降)を超えるときは、超えた分の給付金は支給されません。

公的年金をもらっている場合、年金の一部がカットされる

要注意点ですが、公的年金(老齢厚生年金)をもらっている場合、高年齢再就職給付金をもらうと、年金の一部がカットされます。カットされる金額は、高年齢再就職給付金の40%(月給の最大6%)です。

高年齢再就職給付金と再就職手当はどっちが有利か

高年齢再就職給付金と再就職手当はどちらか片方だけしかもらうことができません。一度選択すると、その後変更することはできません。もらえる金額を計算して、金額の高いほうを選択すると良いでしょう。

  高年齢再就職給付金 再就職手当
支給方法と金額 1年または2年にかけて支給
再就職後の月給×最大15%
一括で支給
基本手当日額×残日数×60%または70%
(ただし、支給残日数が
所定給付日数の3分の1以上であること)
賃金との関係 賃金が変動すると支給額も変化する 再就職後の賃金変動に影響されない
年金との関係 年金の一部がカットされる 年金には影響がない

再就職後に、給料が75%未満に下がっていない人と、支給残日数が100日未満の人は、高年齢再就職給付金をもらえませんので、再就職手当になります。

給料が75%未満に下がった場合について、定年退職の場合は、失業手当の所定給付日数が最高でも150日になりますので、高年齢再就職給付金は実質1年しかもらえません。ほとんどのケースでは再就職手当のほうが有利になります。ただ、給料がだいたい60%前後に下がった場合など、一部のケースでは、高年齢再就職給付金のほうが有利になることがあります。

利用上の注意点

本ツールは、あくまでも簡易的に、在職老齢年金の金額を計算シミュレーションするツールです。実際の受給額とは異なることがあることをご了承ください。

2025年4月時点の法令に基づいて計算しています。制度が変更される可能性があることをご了承ください。

本ツールを利用して、不利益や損害等が発生したとしても、当社は一切の責任を負いませんので、ご了承ください。
ご自身の在職老齢年金の受給額についての質問は、日本年金機構にお問い合わせください。

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監修
ZEIMO編集部(ぜいも へんしゅうぶ)
税金・ライフマネーの総合記事サイト・ZEIMOの編集部。起業経験のあるFP(ファイナンシャル・プランナー)を中心メンバーとして、税金とライフマネーに関する記事を今までに1300以上作成(2024年時点)。
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