電気料金最安値シミュレーション
主要な電力会社の中で、ある月の電気料金が最安値の電力会社とプランを探し、他のプランとの料金比較をするツールです(β版、関東のみ対応)。
[2023年4月分の電気料金に関する最新情報はこちら]
※1 2023年4月分は予測値(3月分と同じと予測)
2023年4月分の状況
すでにお伝えしているとおり、2023年2月分(1月に使用で2月に支払う分)から、政府の補助により、1KWh当たり7円、電気料金が安くなりました。
特筆すべきこととして、楽天でんきが再びかなり安くなりました。
楽天でんきは、2022年12月分から、燃料費調整額が市場連動型に移行したため、電気代が非常に高くなることが予想されていました。
実際は、少し高くなりましたが、予想ほどの上昇ではありませんでした。
2023年2月分からは、他社の一般的な燃料費調整額よりも、1KWh当たり数円程度安くなりました。
2023年4月分(3月に使用で4月に支払う分)については、下記のようになっており、さらに料金に開きが生じています。
(楽天でんきの市場連動価格は、4月分は未発表のため3月分の数値で比較)
他社(一般) | 楽天でんき | |
---|---|---|
北海道電力エリア | 1.57 | -3.85 |
東北電力エリア | 4.8 | -3.92 |
東京電力エリア | 3.25 | -3.73 |
中部電力エリア | 2.93 | -3.94 |
北陸電力エリア | 2.34 | -4.45 |
関西電力エリア | 2.67 | -4.45 |
中国電力エリア | 6.77 | -4.45 |
四国電力エリア | 3.76 | -4.45 |
九州電力エリア | 0.56 | -6.67 |
市場連動型については、市場価格が高いときには電気料金が高くなりますが、市場価格が安くなれば電気料金も安くなるメリットがあります。
安定しているほうを選ぶか、市場連動型でリスクとリターンの両方をとるか、考え方次第かもしれません。
一番お得なのは、楽天でんき
あまり電気を利用しない場合は、最安プランは、東京電力エナジーパートナーの従量電灯Bプランになります。
家族が何人かいて、ある程度の電気を利用する場合は、最安プランは、楽天でんきになります。
3月までは、すべてのケースで、最安プランは、東京電力エナジーパートナーの従量電灯Bプランでしたが、楽天でんきが再び逆転しました。楽天でんきの燃料費調整額がかなり安くなったためです。
利用方法
入力内容
「電力会社エリア」を選択してください。
エリアがわからない方は、「ENEOSでんき:電気供給エリア」を見るとわかりやすいです。
アンペア契約があるエリアでは、「契約容量」を選択してください。
「1ヶ月間の使用電力量」を、入力してください。(最高9,999kWh)
「対象年月」を選択してください。最新の年月から過去約15ヶ月間程度を選択可能にしています。
最後に「計算する」ボタンを押してください。
出力内容
それぞれの電力会社のプランを、金額が安い順に表示します。最安値からの差額を表示します。
電気料金の計算方法
電気料金は、次の3つの料金を合計したものです。
- ①基本料金
- ②従量料金(電力量料金単価×1ヶ月の使用電力量±燃料費調整単価×1ヶ月の使用電力量)
- ③再エネ賦課金(再生可能エネルギー発電促進賦課金単価×使用量)
この中で、料金の大半を占めるのが②従量料金であり、原油価格の高騰に伴って、特に、燃料費調整額が高くなりつつあります。
①基本料金
基本的にどの電力会社でもほぼ同じですが、一部、少し金額が安かったり、体系が異なる電力会社もあります。基本料金がない電力会社(楽天でんきなど)もあります。
北海道・東北・東京・中部・北陸・九州エリア
契約アンペア(10A, 15A, 20A, 30A, 40A, 50A, 60A)によって決まります。たとえば、契約アンペア:40Aの場合、286×4=1,144円です。
関西・中国・四国・沖縄エリア
ある一定の使用量(関西:15kWh、中国:15kWh、四国:11kWh、中国:10kWh)までは定額です。基本料金というよりは定額料金です。
②従量料金
電力量料金単価と燃料費調整額の2種類があります。
電力量料金単価
一般的には、3段階の料金制度となっていて、使用電力量が多くなるほど高くなります。各社によって違いがありますが、あっても1KWh当たり数円程度です。むしろ、エリアによる違いのほうが大きいです。
たとえば、「東京電力エナジーパートナー スタンダードS」プランでは、この表のようになっています。
使用電力量の範囲 | 1kWh当たりの単価 |
---|---|
~120kWh | 19.88 |
121~300kWh | 26.46 |
301kWh~ | 30.57 |
一部の電力会社は、使用電力量によらず一定となっています(楽天でんきなど)。
燃料費調整額
発電に必要な燃料費(原油、LNG、石炭)などの燃料の価格変動を電気料金に反映させたものです。2022年以降の電気料金の高騰に影響を与えているのが、この部分です。
燃料費調整額は毎月変動します。燃料費が基準価格よりも安ければ電気料金からマイナスされますが、基準価格よりも高ければプラスされます。
燃料費調整額はエリアと電力会社によって異なります。同じエリア内では、「上限あり」パターンと「上限なし」パターンの2つに大きく分けられます。
「上限あり」パターンでは、消費者保護の観点から上限が設定されています。燃料費が高騰しても上限に達したら、それ以上は値上がりしません。一方、「上限なし」パターンでは、燃料費が高騰した分だけ値上がりします。
今までは、「上限あり」「上限なし」の両方のパターンが半々くらいでしたが、2022年10月から12月にかけて、「上限なし」のパターンに移行する電力会社が続出しています。新電力の多くは「上限なし」に移行しており、価格の安さの魅力はほとんどなくなりつつあります。
たとえば、東京電力エリアの2022年12月時点の燃料費調整額は11.92円/kWhであり、従量料金の半額程度にもなっています。
もはや従量料金の差よりも、燃料費調整額のほうが電気料金に大きく影響しています。しかし、電力会社によっては、ホームページでこの部分をはっきりと説明していませんので、電気料金を比較する際には注意が必要です。
市場連動型
上記の燃料費調整額について、「市場連動型」プランというものがあります。日本卸電力取引所(JEPX)の市場価格に連動して電気料金の単価が決まるものです。
市場価格が安いときは電気料金を安くなりますが、市場価格が高いときは電気料金が高くなります。
楽天でんきが2022年12月(11月ご利用分)から市場連動型に移行しましたが、原油価格が高騰している2022年12月では、九州エリアを除いて大幅な料金アップとなりました。今までの電気代の1.5倍にも迫る勢いです。
一方で、2023年2月になって、原油価格が下がったため、逆に、他社のプランよりも電気料金がかなり安くなりました。
市場連動型へ移行したのは今のところ数社ですが、今後、市場価格がさらに高騰すれば、移行する会社は増えるかもしれません。自分が利用している電力会社の動向に注意が必要です。
【外部リンク】【重要】「楽天でんき」電気需給約款(低圧)および料金表改定のお知らせ(燃料費調整から市場価格調整への変更)
③再エネ賦課金
長いので省略しましたが「再生可能エネルギー発電促進賦課金」といい、「再生可能エネルギー(※)の固定価格買取制度」によって電力会社等が買取りに要した費用を、電気の使用量に応じて、利用者が負担するものです。
※太陽光、風力、水力、地熱、バイオマス等
すべての電力会社で同じで、毎年5月に新しい価格が決まり、1年間同じ金額です。
2022年5月~2023年4月までは、3.45円/kWhです。
電気料金の計算の具体例
「東京電力エナジーパートナー スタンダードS」プラン、2022年12月、契約アンペア:40A、使用電力量:400kWh(3~4人の家庭の一般的な使用電力量)で計算してみましょう。
①基本料金
②従量料金
電力量料金単価
121~300kWh:26.46円/kWh×180kWh=4,762.8円
301kWh以降:30.57円/kWh×100kWh=3,057円
合計:10,205.4円
燃料費調整額
③再エネ賦課金
合計
電気料金比較シミュレーションのポイント
原油価格高騰で、2022年に入ってから電気料金が上昇しており、特に2022年10月以降、大幅に上昇しています。電力会社によっては、燃料費調整額を市場連動型に移行する会社もあり、その場合、原油価格が高騰している現状では、電気料金が1.5倍近くに上昇することもあります。
今までは新電力のほうが既存の大手電力会社より電気料金が安いとされていましたが、直近では、逆転現象も起きています。各電力会社から上限撤廃や市場連動型への移行などの発表が相次ぎ、毎月ごとに電気料金が大きく変動しています。
電気料金を比較するツールは、すでに多くありますが、たいていは、過去の電力料金と使用電力量をもとに1年間の電気料金を比較するものです。毎月ごとに電力料金が大幅に変更されている中では、過去の情報だけ見てもあまり意味はなく、今月・来月に電気料金がどうなるのかを予測して、家計を守っていく必要があります。
この比較シミュレーションツールでは、今月・来月の最新の電気料金を比較できるようにしました。最安値の電力会社もひとめでわかります。
利用上の注意点
本ツールは、2023年(令和5年)2月時点での調査結果に基づいて計算しています。それぞれの電力会社のホームページやPDF資料等を参照しています。
契約電流60A、または契約電力6kVA以下の家庭向けプランのみを比較対象としています。
市場連動型の燃料費調整額について、データが発表されていない年月のデータは予測値を利用しています。実績値のある最新の年月の値と標準値との差分を計算し、それを、対象年月の標準値に加算して予測値を計算しています。予測値を利用した金額には「※1」と表示しています。
旧一般電気事業者を中心に、主要な電力会社のみを対象としています。随時、電力会社・プランを追加していく予定ですが、比較対象の数には制限があることをご了承ください。
従量制、定額制など基本的な電力プランのみを対象としています。時間帯(夜間)、季節などによって料金が変わるプランは対象にしていません。
燃料費調整額を明確に公表していない電力会社は掲載しておりません。
本ツールはあくまでも電力料金を比較するための参考としてご利用ください。
本ツールを利用して、不利益や損害等が発生したとしても、当社は一切の責任を負いませんので、ご了承ください。
ご自身の電気料金についての質問は、それぞれの電力会社にお問い合わせください。
電気料金についてよくある質問
電気料金はどうなっているの?
電気料金は、次の3つの料金の合計で決まります。
- ①基本料金
- ②従量料金(電力量料金単価×1ヶ月の使用電力量±燃料費調整単価×1ヶ月の使用電力量)
- ③再エネ賦課金(再生可能エネルギー発電促進賦課金単価×使用量)
詳しくは、こちらをご覧ください。
一番お得な電力会社はどこ?
電力会社によって、様々な料金体系があるため、一概に、どこの電力会社が安いか決めることはできません。
市場連動型の料金を採用している電力会社では、燃料価格が高騰すると電気料金も非常に高くなりますが、燃料価格が安くなると電気料金もかなり安くなります。
具体的な計算は、電気料金比較シミュレーターをご利用ください。
電気代高騰が続くなら……太陽光発電・蓄電池がお得? エネがえるのシミュレーション
これだけ電気代が高騰するのなら、電気を購入するのではなく、太陽光発電で自分で電気を作れるようにした方がいいのかも。そう思う方もいるかもしれません。
ただ、太陽光発電・蓄電池は決して安い買い物ではありませんので本当に購入するメリットがあるのかは慎重に検討する必要があります。
上記は主に企業向きではありますが、太陽光発電や蓄電池を導入した場合の電気料金プランの比較や、経済効果をシミュレーションすることができるツールのリンクです。