一般課税・簡易課税・2割特例 比較計算シミュレーション

消費税の計算方式で、一般課税(原則課税)・簡易課税・2割特例の、どれがお得かを比較計算シミュレーションします。

入力項目

利用方法

入力項目

売上・経費

年間の売上と経費を1万円単位で入力してください。

入力する金額の消費税

  • 入力する金額を「税抜き」で入力した場合は、「税抜き」を
  • 入力する金額を「税込み」で入力した場合は、「税込み」を

選択します。(デフォルトは「税込み金額」)

税率

税率を選択してください。

  • 10%(デフォルト)
  • 8%

※両方の税率がある場合には対応していませんので、どちらか多いほうを選択してください。

業種

以下の中から選択してください。

  • 卸売業(第1種)
  • 小売業(第2種)
  • 製造業(第3種)
  • 建設業(第3種)
  • 農業・林業・漁業(第3種)
  • 農業・林業・漁業(飲食料品の譲渡を行う)(第2種)
  • 鉱業(第3種)
  • 電気・ガス・水道業(第3種)
  • 飲食店業(第4種)
  • 金融・保険業(第5種)
  • 運輸・通信・IT業(第5種)
  • サービス業(飲食店除く)(第5種)
  • 不動産業(第6種)
  • その他(第4種)

※()内は、簡易課税の業種を表しています。
※複数の業種には対応しておりません。もっとも割合の高い業種を選択してください。

免税事業者からインボイス発行事業者になったか?

免税事業者からインボイス発行事業者になった人は「はい」(デフォルト)、そうでない人は「いいえ」を選択してください。

「はい」の場合には、最長で2026年まで2割特例を利用できます。

出力項目

一般課税(原則課税)・簡易課税・2割特例のうち、納税額が一番少なくなる(一番お得な)課税方式を表示します。

また、それぞれの消費税の納税額を1万円単位で表示します。

この値がマイナスになった場合は、一般課税を選択していれば、消費税の還付を受けることができます。

消費税の計算方式

消費税は事業者が自分で計算して申告・納税します。消費税の計算方式には、2種類があります。一定の条件を満たす事業者は、簡易課税を選択することができます。

  • 一般課税(原則課税)
  • 簡易課税

また、インボイス制度導入に伴い、期間限定ですが、

  • 2割特例

という計算方法もできます。

一般課税(原則課税)

消費税の計算式です。

消費税額=売上時に受け取った消費税-仕入時に支払った消費税

課税事業者になると、特に何も選択しないかぎりは、一般課税(原則課税)の方式になります。

一般課税では、売上で受け取ったすべての消費税の合計から、仕入や経費で支払ったすべての消費税の合計を差し引きます。

よって、年間で行ったすべての取引について消費税額と消費税区分を正確に把握する必要があり、事業者にとって経理の負担は大きいです。

簡易課税

簡易課税による計算式です。

消費税額=売上時に受け取った消費税-(売上時に受け取った消費税×みなし仕入率)

一般課税と違い、簡易課税では実際の仕入税額ではなく「みなし仕入率」によって求めた金額を仕入税額とします。

簡易課税による計算では、消費税額の計算に関係してくるのは売上で受け取った消費税額だけです。
仕入・経費の消費税額と消費税区分を把握する必要がないため、経理の負担は一般課税に比べて格段に少なくなります。

みなし仕入率

みなし仕入率は業種別に6種類に分類されています。

業種 みなし仕入率
第一種事業(卸売業) 90%
第二種事業(小売業) 80%
第三種事業(製造業等) 70%
第四種事業(その他の事業) 60%
第五種事業(サービス業等) 50%
第六種事業(不動産業) 40%

簡易課税の計算例

簡易課税制度による消費税の計算例です。

例:卸売業、税抜売上高2,000万円の事業者の消費税額

  • (2,000万円×10%)-(2,000万円×10%×90%)=20万円(納付税額)

簡易課税を選択できる条件

2年前(法人は2期前)の課税売上が5,000万円以下の場合、簡易課税を選択することができます。

簡易課税を選択したい場合は、「消費税簡易課税制度選択届出書」を、対象年度が始まる前の日までに税務署に提出します。

2割特例

インボイス制度開始に伴って、事業者の負担軽減のために、新たに導入される制度です。

2割特例による計算式です。

消費税額=売上時に受け取った消費税×20%

簡易課税で業種が第二種(小売業)の場合(みなし仕入率80%)と同じ計算結果になります。

2割特例を利用するために、事前に税務署に何らかの書類を提出する必要はありません。

消費税申告時に、2割特例を適用することを申告書に記載するだけです。

どの方式がお得か?

一般課税(原則課税)と簡易課税を比較した場合、自分が該当する業種区分のみなし仕入率よりも、実際の仕入率が高い場合は、一般課税がお得、逆に実際の仕入率が低い場合は、簡易課税がお得です。

  • みなし仕入率<実際の仕入率 ⇒ 一般課税が有利
  • みなし仕入率>実際の仕入率 ⇒ 簡易課税が有利

卸売業、小売業などで、仕入率がかなり高い場合には、一般課税のほうがお得なことが多いです。

サービス業、オフィスワークなどでは、物の仕入は少なく仕入率が低いため、簡易課税のほうがお得なケースが多いです。

詳しくは、こちらの記事をご覧ください。

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免税事業者から課税事業者になった事業者は2割特例を利用できる

免税事業者から新たに課税事業者になった事業者は、2割特例を利用でき、納税額は、売上で受け取った消費税の2割ですみます。

卸売業、小売業を除けば、ほとんどの業種で、2割特例のほうがお得になります。

こちらは、期間限定で、最長で2026年度の申告まで利用できます。

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利用上の注意点

本ツールは、2023年(令和5年)8月時点での税制等に基づいて計算しています。

本ツールを利用して、不利益や損害等が発生したとしても、当社は一切の責任を負いませんので、ご了承ください。
ご自身の税金の金額についての質問は、最寄りの税務署にお問い合わせください。

よくある質問

2割特例を利用するにはどんな手続が必要?

2割特例を利用するために、事前の手続きは必要ありません。

消費税の申告書に、「2割特例を適用」する旨を記載すれば大丈夫です。後日、税務署から詳細な案内があると思われます。

一般課税と簡易課税、どちらにすべき?

免税事業者から課税事業者になった人は、2割特例を利用できます。

ただし、売上より経費が多く、受け取った消費税よりも支払った消費税が多いときは、もし一般課税を選択していれば、消費税の還付を受けることができます。

服部
監修
服部 貞昭(はっとり さだあき)
東京大学大学院電子工学専攻(修士課程)修了。
CFP(日本FP協会認定)、2級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)。
ベンチャーIT企業のCTOおよび会計・経理を担当。
税金やお金に関することが大好きで、それらの記事を2000本以上、執筆・監修。
「マネー現代」にも寄稿している。
エンジニアでもあり、賞与計算ツールなど各種ツールも開発。
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